昭和哀歌-籠の鳥- 白石さゆりアタッカーズより2008年10月7日リリース/監督:[Jo]Style 脚本:雨宮まみ
このブログレビューでも先日とり上げた問題作「女子校生監禁陵辱 鬼畜輪姦84」の
1ヵ月後に、同じメーカー・同じ監督でリリースされた通しドラマです。
[Jo]Style監督は「レイプ」作品をライフワークにしてるのかしら・・・
本編はジュン君のナレーション(激萌え)で幕開けです!時代設定は考証的に矛盾が多くてよくわかりませんが戦前の昭和みたいな雰囲気。
ジュン君の役名は英夫。俗に言う「妾の子」です。生まれてすぐにお母さんを亡くし、
東京のお屋敷で女中にかしずかれて育ちます。父・四宮が構えた妾宅、というより、
出入りする四宮を「自分の家でもないのに我が物顔で」と非難する英夫の台詞から、
英夫のお母さん自身の所有する屋敷だったように思われます。古典文学によくある、
「やんごとない姫君が親を亡くして屋敷に取り残され生活もままならないところを
田舎豪族の囲い者になることでしのぐ」という状態だったのでしょうか。
父親の四宮は本宅のある九州では有数の資産家で、鉄鋼業を営んでいる男。
英夫の母が亡くなってからは英夫のことは黙殺状態だったのに、
本宅の跡取り息子が亡くなったとたんに英夫の元に足しげく現れるようになります。
その情のなさと現金さに、激しい憤りと嫌悪を感じる英夫。英夫が高3のその頃、
ある男の借金のカタにその妻である美貌の小百合を手に入れた四宮は、
小百合を英夫の家に家政婦として住み込ませます。
それまで英夫を世話していた使用人がどうなったのかは語られませんが、
無情で現金な四宮のことですから、まとまった退職金も出さずに解雇したのでしょう。
小百合が手篭めにされる時の「抵抗できないけど死ぬほど嫌」という演技はリアルです。
四宮の秘書・冴場に笹木さん。不能気味の四宮から、小百合の調教をいいつけられます。
さすがベテランの風格といいますか、見事な言葉責め。
どんなに責めても体は平常心(↓)、ていうのも演技として正しい。
冴場は仕事の一環として(調教を)やってるんで、こんなときいちいち興奮して
硬くなってるほうがかっこ悪いわよね。でも入れるとなったら
すぐビシッと立てないとこれもかっこ悪い。・・・大変よね、こういう役は。
叩きはものすごく手ぬるい。まあそれは仕方ないのかしら・・・。でも、
入れたときに小百合の全身に鳥肌が立つところは壮観ですね。
森林君演じる小百合の夫が「妻に会わせてくれ」と押しかけてきて、
それからのプレイはすごかったですね。もう、単なるAVじゃない。
立派に心理劇と言っていいクオリティです。そんな中で、ジュン君は、ベテランの皆さんを差し置いて、トリをつとめます。
自分の欲で小百合を踏みにじる四宮、職務として淡々と拷問し続ける冴場、
自分の責任は棚に上げて小百合が貞節を守れなかった事を責めたあげくに
小百合を侮辱する夫。3人が三様に小百合を汚すなかで、唯一英夫だけが、
壮絶ともいえる日々の陵辱を間近に見ていながらも、
小百合をあくまでも清いもの・美しいものとしてとらえ、接していたし、
英夫とのそうしたささやかなやりとりは、小百合にとっても、
苦しい日々を送る支えになっていたようにも見えました。
英夫が自分を見つめるまなざしで
小百合は清められているような気持ちになっていたのではないかと。
きっと彼によって、小百合は救済されるに違いない!感動のラストが待っているのね!
と確信していたら・・・え?って感じなんです。
英夫君、ナイーブな少年からいきなりラストで悪魔王子にキャラ変わって、
小百合を陵辱しちゃいました。
プレイは、「ソフト陵辱」というお約束の「プレイ」として、
そこだけ見れば文句なしにイイです。クンニはたっぷりだし。ジュン君が指を入れてかきまぜると
さゆりさんの腿の内側にばあーっと鳥肌がたつの。すごい迫力。
潮吹かせた後、また舐めてくれます。それで口の周りをさゆりさんに舐めさせるの。
仰向けにした女にまたがって頭上で両手を押さえてイラマするのも素敵。でもさゆりさんは、
あいにく喉奥があまり開かないタイプのようです。
ファックはバックでスタート。一気にえぐる腰つきが素敵。フィニッシュは顔出し、お掃除つき。
ほんとにジュン君は綺麗です。完璧に。
ただね・・・
なんかストーリー的に、激しく拍子抜けなんですね。あの・・・視聴者は、ラストで裏切ればいい、ってもんじゃないと思うんですけど。
ジュン君には純情少年も悪魔王子もどっちも似合うけど、キャラは一貫させて欲しかったわ・・・。
豹変させるならさせるでもっと説得力のあるプロットをきちんと入れてくれないと、
唐突すぎてのれない。「小百合さん、やっと僕のものになってくれましたね」っていう
ラストの台詞自体はいいんだけど、それは救済者として・守護者としての言葉じゃないんだもの。
彼が父親を殺すのはいいけど、まるで英夫が四宮自身に成り代わったかのように、四宮の小百合への侮蔑をそのまま継承し、
四宮が小百合にふるっていた力をそのまま行使する、
「小百合を貶め続ける存在」
になってしまったのは、一連の惨事の中でも、小百合にとって最も「悪いこと」でしょう。
小百合にとってこれ以上の絶望はないです。これではまったく救いがない・・・
やっぱりここは、どんなにベタな展開でも、
英夫が父親を殺すのはあくまでも小百合を解放するためであってほしかったし、
自首する前に小百合を清めてほしかったです。
「あなたがこの家で何をされてきたか、僕は全部知っています。でも僕にとって
あなたはちっとも汚れてなんかいない、あなたは誰よりも美しい」って英夫が告げて、
その上で体で愛し合えれば、小百合は救われたはずです。
そんな展開は甘すぎてダメですか?
・・・でも、わたくしは、自分を浄化したくて、救われた気持ちになりたくて、
本を読んだり映画やAVを観るんです。
傷つくためだったり鬱々とするためだったりではないんですよね・・・そんなことは、現実の生活の中だけでたくさんです。
脚本は雨宮まみさん。女性です。わたくし、このかたのブログ、読んだ事あります。
なんて頭のいい、面白い人かしらと思ったんだけど、
ほんとにごめんなさい、このラストはいただけないわ・・・
もっとも、映画やドラマの世界では「脚本どおりの撮影」って
あんまりないって言いますよね・・・
もしかしたらこれも監督にいじられちゃったのかしら・・・
いずれにしても、まみさんと監督の真意が知りたいです・・・。
心底、残念なVです。
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